Firefox 上で新しいプロファイルを作成して利用する

Firefox 上で新しいプロファイルを作成して利用する


はじめに

Firefox 46.0 から about:profiles のページが追加されました。現在もまだ開発途上のプロファイルマネージャー機能ですが、49.0 になって 46.0 のころに比べて多少はこなれてきたように思います。

とくに、トラブルシューティングのためにテスト用の新しいプロファイルを作る場合、従来型のプロファイルマネージャーを起動させる方法よりも、ユーザーにとっては戸惑いが少ないかもしれません。

もっとも、Firefox が正常に起動することが前提です。Firefox が起動しない(プロファイルを読み込まない)とか、起動はするが非常に不安定だという場合は、従来型のプロファイルマネージャーを使って新しいプロファイルを作るなり、別プロファイルを選択して起動させるなりしたほうがいいでしょう。

以下、起動した Firefox 49.0 上から、新しいプロファイルを作成したり、プロファイルを選択して起動する方法を説明します。

(46.0 以降のバージョンであれば、基本的な操作はだいたい同じです。画像は、Windows 7 上の Firefox 49.0 です。)


● about:profiles =「プロファイルについて」タブを開く

ヘルプメニューから開く「トラブルシューティング情報」の [アプリケーション基本情報] の最下段に [プロファイル] という項目があり、右側に about:profiles のリンクがあるので、これをクリックします。


トラブルシューティング情報1

トラブルシューティング情報2


あるいは、ロケーションバー(アドレスバー/ URL バー)に about:profiles と入力して [Enter] キー押下で、直接開くこともできます。よく使うのなら、about:profiles をブックマークしておくこともできます。


プロファイルについて画面

開いた「プロファイルについて」タブには、Firefox が認識しているプロファイルの一覧が表示されます。

現在使用しているプロファイルには、[これは使用中のプロファイルです。削除できません。] という注意書きが表示されます。

プロファイルがひとつしかない場合は、そのひとつにこの注意書きが表示されます。

各プロファイルの項目と実行可能なコマンドは見てのとおりですが、[プロファイルを別のプロセスで起動] は、現時点では正常に機能しません。現在の正式リリース版では、マルチプロセス(e10s)の働きに制約があるためです。(注1)

(注1)
Nightly などの開発版では最新の e10s が有効ですから、あるプロファイルの [プロファイルを別のプロセスで起動] ボタンを押すと、いま起動中の Firefox のウィンドウはそのままに、ボタンを押したプロファイルを読み込んだ新しいウィンドウが開きます。ただし開発版ですから、現状では安定性の問題をはじめ機能的な不具合などが含まれています。


●新しいプロファイルの作成

さて、この「プロファイルについて」タブから、テスト用の新しいプロファイルを作り、それで起動する手順は次のようになります。

タブ内上部にある [新しいプロファイルを作成] ボタンを押すと、「プロファイル作成ウィザード」が起動します。

画面の説明をよく読んだ上で、[次へ] ボタンを押します。


プロファイル作成ウィザード1


[新しいプロファイルの名前を入力してください:] の欄に、任意の名前を入力します。

日本語名でもかまいませんが、できれば半角英数文字だけで名前をつけたほうが、不用意なトラブルを誘発する可能性が少ない分、のちのち安心でしょう。

[あなたのユーザ設定やユーザデータの保存先:] に、作成先のフルパスが明示されていますので、きちんと確認しておくことをお勧めします。

標準では既定の配置場所に生成されます。[標準のフォルダを使用する] がグレーアウトしている状態がそれです。

[フォルダを選択...] から、新しいプロファイルを配置する任意の場所を選べますが、非標準の場所に置いたプロファイルは、標準の場所に置いたのとは異なる管理が必要になります。これを自力で管理していく自信がないとか、手間を厭うのなら、標準の場所に置くほうがいいしょう。


プロファイル作成ウィザード2


以上を確認の上、[完了] ボタンを押せば、指定した名称のプロファイルが作成され、「プロファイルについて」タブにも即座に反映されます。

(注)ユーザーが付けた名前の前に、必ず8文字分のランダムな文字列が半角英数文字で付加されます。これは、一定のセキュリティ対策だと考えてください。


●新しく作ったプロファイルで起動する

これまでユーザーがどのように Firefox を使ってきたか、とくにプロファイルの在り様によって、「プロファイルについて」タブからの再起動が左右されます。

一般的には、Firefox をインストールした最初に自動生成されたプロファイルが [既定のプロファイル] になっているので、この状態のまま使ってきたのであれば、常にそのプロファイルが選択された状態で Firefox が起動します。

この場合、生成した「新しいプロファイル」で Firefox を起動させるには、新しいプロファイルの [既定のプロファイルに設定] ボタンを押し、その後に「プロファイルについて」画面の右上にある [再起動] ボックス内の [通常の再起動...] ボタンを押します。


プロファイルについて2


すると、Firefox はいったん終了し、新しいプロファイルを読み込んで再起動します。

一方、すでに複数のプロファイルを持っていて、過去に [ユーザプロファイルの選択] 画面で [今後このプロファイルを使用する] のチェックを外している場合、何もしないまま [通常の再起動...] ボタンを押せば、Firefox がいったん終了したあと、[ユーザプロファイルの選択] 画面が開きます。


ユーザープロファイルの選択


ここで、新しく作ったプロファイルを選択して、[Firefox を起動] ボタンを押してください。


●別のプロファイルへの切り替え

新しいプロファイルでの動作テストを終え、これまで使ってきた既存のプロファイルに切り替えたい場合、「プロファイルについて」タブを開き、使いたいプロファイルの [既定のプロファイルに設定] ボタンを押し、その後に [通常の再起動...] ボタンを押せば、Firefox はそのプロファイルで起動します。


■ 複数のプロファイルを効率的に使い分けるための方法は他にもあります。しかし、ここでは about:profiles =「プロファイルについて」の使い方が主眼なので、説明は省略します。